さくらももこさん
今回は少し長文です。
ちびまる子ちゃんの原作者さくらももこさんが53歳でお亡くなりなったとのニュース、私も驚きました。乳がんだったそうで、闘病期間は10年あまりとの情報もあるようです。少女漫画月刊誌の『りぼん』には私も多感な時代に夢中になり、そのなかにちびまる子ちゃんが連載され、しばらくしてアニメの放映も始まりました。テーマ曲は学校でもよくみんなで歌っていたのを覚えています。新しい世代にも変わらず愛されるキャラクターを造られた方のニュースで本当に残念です。
芸能人に乳がんが多いとの印象を受けられるかもしれませんが、実際は身近にも経験者(サバイバーという言い方もあります)がいらっしゃるかもしれません。ステージが軽く、薬の治療も内服だけの方ですといつもと変わらない生活を送られているように見える方が大勢いらっしゃいます。帯広・十勝管内では年間約250の乳がん手術が行われていると推計され、多くの乳がんは治っていきます。検診で見つかるようなStageⅠの乳がんですと5年生存率は99.9%です。(国立がん研究センターHPより)
さくらももこさんのお話に戻りますと、闘病10年が本当であれば手術を含めた治療を受けられたあとの再発か非常に進行が緩徐なStageⅣ(初診時から乳房以外の多臓器に転移がある状態)だったことが予想されます。定期的な検診をうけ、何か症状があった場合にはすぐに受診していれば助かっていた可能性もあるかと思うと、乳がんに関わるわたしたち医療関係者の努力がまだまだ足りないことを痛感します。
帯広市内で乳腺外科開設から一年になりますが、乳がん発生率が多い北海道の中でも十勝管内は多いように感じております。積極的に検診を受けるような雰囲気づくりや“しこり”を感じたときにすぐに受診できるような環境を提供させていただこうと改めて考えさせられたニュースでした。