乳がん診療
乳がんとは
乳房の乳管および小葉に発生する悪性腫瘍を乳がんといいます。およそ9割は乳管上皮から発生する乳管癌がんであり、乳管上皮内にがんがとどまっているものを非浸潤癌、乳管上皮から周囲の間質に浸潤しているものを浸潤癌とよび、浸潤癌には基本的に薬物療法が必要になります。
2016年の推計で約9万人が乳がんに罹患するとされており、女性の11人にひとりが乳がんと診断される計算になります。一方、死亡数の予測は1万4千人とされ、適切な治療で治る可能性が高いがんのひとつとされています。
資料:国立がん研究センターがん対策情報センターsource: Center for Cancer Control and Information Services, National Cancer Center, Japan
乳がんの症状
- 乳房のしこり
乳がんの症状として最も多いものです。症状がないうちに検診で発見された乳がんのほうが小さいうちに見つかる傾向にありますが、自覚症状が出てからの診断、治療でも治る可能性は十分にあります。乳房に何か触れるものがあったらご気軽にご相談ください。 - 皮膚のひきつれ、皮膚の色調変化、むくみ
乳がんが皮膚をひっぱったり、皮膚に入り込んだりした場合に見られます。むくみは炎症性乳がんというタイプの乳がんにみられる症状です。 - 乳頭分泌
古い血液のような色の分泌がみられる場合は乳がんが隠れている可能性があり、精密検査が必要です。 - わきのしこり
まれに、乳房のしこりより先にわきのリンパ節が大きくなって見るかる乳がんがあります。 - 乳頭の湿疹様症状
パジェット病という乳頭の皮膚のただれから診断される乳がんがあります。
乳がんの診断
組織生検が確実な診断方法です。現在、ばね式の針生検による診断が標準となっており、正確な診断が得られ、検査の痕はほとんど気になりません。針生検で診断が困難な場合は病変の大きさや見え方に応じて吸引式の生検装置や摘出生検をお勧めする場合があります。
乳がんの手術
手術は連携病院で行っております。
毎週水曜日に帯広協会病院にて手術を行っております。手術前後は連携病院の医師とともに治療にあたり、初期治療がおちつきましたら当院で治療、検査、経過観察を行います。
北海道がんセンター 乳腺外科との連携
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群に対するカウンセリング、遺伝子診断、治験薬(未承認薬)、乳房再建手術やステレオガイド下マンモトーム生検などへのアクセスは北海道がんセンターとの連携によって可能となっております。対象となる場合にはご紹介、その後のフォローアップをいたしますのでご相談ください。